手探りでカメ類を捕獲し、背甲長・腹甲長・体重などを計測・記録し、撮影する。ミシシッピアカミミガメは川から排除、クサガメは下流に放流、在来種は元居た場所に戻す。また工事後に単調になった川筋に変化をもたせるため、土嚢を置いたり中洲の形を変えたりする作業を行う。時間があれば、中州で目立つヒメリュウキンカ・セイヨウカラシナなどの外来植物を抜いたり、清掃活動も行う。
大阪府茨木市・摂津市を流れる大正川は万博公園近くの松沢池を水源とする約5.3kmの都市河川である。賑やかな都市を流れる2面(一部3面)コンクリート張りの川ではあるが、外来種も含めて多種多様な生物が生息していた。しかし2020年度に最も多様度が高い区間で袋詰め玉石設置工事と浚渫工事が行われ、在来種の救出作業はしたものの、多くの命が失われた。また行政との交渉によりできる限り自然に配慮していただいたが、それまでと比してかなり単調な環境になってしまった。今後以前と同様の生物種が回復するかどうか、回復するとしてもどれくらいの年月がかかるのか、それは我々河川に関わる団体の努力次第だと思われる。活動では調査活動や外来種防除、清掃などに加えて、研究者や他の団体とも協力して、自然回復のために知恵を出し、できる限りの試みを行っている。なお2021年~2022年度には土木事務所の許可を得て、中洲の一部を切り崩してエコトーンを作ったり、澪筋に変化をつけたりする作業を行った。