「曽根干潟カブトガニ自慢館」に集合し、潮待ち時間をかねて館内の見学を行い、カブトガニの形態や生態について学びます。
その後、曽根干潟におけるカブトガニの産卵場所の一つである貫川河口右岸に移動し、産卵調査の方法についてレクチャー。また、周辺の漂着ゴミの影響について説明を聞いた後、波打ち際のトビハゼやカニ類の干潟の生き物観察や、当日産卵の可能性があるカブトガニの産卵行動の探索や漂着した脱皮殻の採集などを摸索しつつ、漂着ゴミの片づけ、清掃活動を行います。カブトガニやカブトガニの棲む海を未来に残すために、皆で取り組むささやかな挑戦です。
【団体・湿地紹介】
絶滅に瀕しているカブトガニの調査研究と保護活動、カブトガニが生息する海、干潟の保全・保護活動に取り組んでいる団体で、福岡県内の生息地3地区で取り組む保護活動を取りまとめる、日本カブトガニを守る会を構成する6支部のうちの一つです。現在、北九州地区で国内有数のカブトガニの産卵・生息地である曽根干潟のカブトガニの保全・保護の取り組みを活動の中心にしています。
「カブトガニの棲む海を未来に!」を合言葉に、生きた化石と言われ絶滅危惧種に指定されているカブトガニと、カブトガニの棲む海、干潟を次世代に残すことを目的に以下のような活動をしています。
【調査・研究活動】
他の活動の基盤として生息の現状を把握するために、産卵調査(6~8月)や幼体調査(3月~11月)を重視し、曽根干潟では、顧問を中心に30年近く継続した長期モニタリングを行なっています。また、大学等の研究者への調査協力や、行政への調査データの提供等も行っています。
【普及・啓発活動】
調査活動で得た成果を元に,毎年支部主催の産卵観察会の実施や依頼を受けた講演や出前講座、環境イベントでの展示・解説などを行い、カブトガニや干潟についての普及・啓発を行なっています。またエコツアーや干潟の観察会など公共施設や学校、各種団体の主催行事にも企画や講師派遣で積極的に協力しています。
【保全・保護活動】
産卵場の整備として干潟の清掃、海ゴミの回収に地域住民や各種団体と協働で取り組んでいます。また漂着1齢幼生の救出保護などにも取り組んでいます。
地元まちづくり協議会や曽根干潟カブトガニ自慢館運営協議会などと連携しながら、海山川の繋がりを意識し流域環境の環境保全活動にも協力しています。