イベント報告

自然観察ウォーク カキツバタの咲く池河内湿原

●主 催:福井県自然保護センター
●共 催:福井県自然観察指導員の会
●実施日:2018年5月26日(土)10:00~15:00
●場 所:福井県敦賀市池河内
●参加者:31名

池河内湿原には希少種となっている植物が多く生育している。当湿原内には県域絶滅危惧II類に登録されているカキツバタが、当湿原内に数多く自生しており、ヤナギトラノオ、ミズドクサは本県ではここにだけ生育し、日本の南限とされている。5月ともなるとオオルリやキビタキなどの夏鳥が鳴き競い、アカゲラなどのキツツキ類のドラミングが響き渡る。
イベント午前中は木道コースと湿原の山側コースで交互に観察を行った。木道コースでは、カキツバタが見ごろを過ぎてしまい期待外れではあったが、観察することができた。観察中には、指導員がカキツバタ、アヤメ、ハナショウブの見分け方と特徴や、シオヤトンボ、ウスバシロチョウ、ニホンカワトンボ、アカハライモリ、メダカなどの特徴を解説した。山側コースでは、かつての池河内地区の生活が感じられるところを通り、湿原を眺望できる場所までを観察しながら歩いた。その途中、ハナイカダ、ヤブデマリ、タニウツギなどを観察することもできた。参加者は観察や指導員の解説を通し、湿原特有の自然について理解を深めることができたようすであった。午後からは、池河内湿原から地元の諏訪神社へ移動しながら、ケヤキとカツラの巨木の観察を行った後、神社境内で指導員が、池河内に伝わる伝説を紙芝居で面白おかしく話をした。
参加者に、さまざまな体験を通して湿原特有の自然環境についてお伝えする良い機会になったと感じる。

●関連記事URL
http://fncc.pref.fukui.lg.jp/event/eventguidance/walk