「ラムサール・ネットワーク日本」設立総会の報告

すべての湿地の保全と賢明な利用の実現を目指して
「ラムサール・ネットワーク日本」発足

■ラムネットJ設立総会開催
 「水辺の生命と暮らしのネットワーク」をキャッチフレーズとして、NPO法人ラムサール・ネットワーク日本の設立総会が4月29日に東京で開催されました。
 昨年10月に韓国で開催されたラムサール条約第10回締約国会議(COP10)にむけて、私たちは、「ラムサール  COP10のための日本NGOネットワーク」を立ち上げ、各地の干潟・湿地保全に取り組むさまざまな関係者の協力体制を、大きく前進させることができました。今回設立した、ラムサール・ネットワーク日本は、その成果をさらに発展させることを目指して、NPO法人として設立したものです。
 4月29日の設立総会には、全国各地から31名が参加し、まず、前半で、旧ラムネット(ラムサールCOP10のための日本NGOネットワーク)の総括、会計報告を承認の上、活動を終結することを確認し、その後、新たに「NPO法人ラムサール・ネットワーク日本」(略称ラムネットJ)の設立を決議しました。
 NPO法人の正式の認可には、通常3〜4カ月程度の時間がかかりますので、正式な法人設立は、9月頃になる予定です。

■沖縄から参加した前川さんが泡瀬干潟の現状を報告
 総会当日、沖縄から駆けつけた前川盛治さん(泡瀬干潟を守る連絡会事務局長/ラムネットJ理事)に、泡瀬干潟の埋め立て工事をめぐる最新の状況を報告してもらいました。
 事業者側は、今年1月から、浚渫土砂投入の工事を強行していましたが、4月に入って、泡瀬埋め立てと一体となっている航路浚渫工事が「保留」にされている状況が明らかになりました。前川さんは、これを契機に埋め立て反対の運動をさらに盛り上げ、工事の「保留」を「中止」に追い込む決意を語りました。
 泡瀬の問題は、昨年のラムサール条約会議の場で、旧ラムネットとして、日本における重大な干潟破壊の事例としてアピールしました。また、ラムサール条約会議前後の旧ラムネットの活動の中から、沖縄の現地のグループと東京で有明・諫早問題や三番瀬の問題に取り組む人たちとの協力関係が深まり、その後の国会議員への働きかけを活発化させてきた経緯があります。新しいラムネットJとしても、泡瀬干潟埋め立て工事中止のために力を合わせていきましょう。

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ラムネットJ設立総会参加者
(ラムネットJニュースレター Vol.1より転載)

2009年06月26日掲載