第4回日韓湿地フォーラムの報告

第4回日韓湿地フォーラムを開催
ラムサールCOP10の成果と今後の課題を確認

■日韓から約40名が参加!
 7月3日・4日の2日間、韓国ソウル近郊の高陽(コヤン)市で、第4回日韓NGO湿地フォーラムが開催されました。
 このフォーラムでは、昨年秋に韓国で開催されたラムサール条約第10回締約国会議(COP10)でのNGOの取り組みを総括するとともに、来年、名古屋で開催される生物多様性条約COP10に、活動の成果を引き継いでいくための取り組みなどについて、活発に意見を交わしました。
 今回、日本からの参加者は9名(浅野正富、伊藤よしの、柏木実、呉地正行、陣内隆之、菅波完、田中博、花輪伸一、堀良一)で、韓国側からは、総勢30名近くの方が参加しました。
 実を言うと、開催前は韓国側の主要メンバーの都合がつかないという話もあり、少人数の集まりになるのではないかと心配していたのですが、結果として、昨年のラムサール条約会議で中心的に活動していたメンバーは、ほとんどが顔をそろえました。(韓国のNGOは、やはり本番に強かった!)

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フォーラムでは日韓の湿地保全について活発な討議が行われました

■韓国ではCOP10以降も大規模な湿地破壊が進行中
 韓国側の参加者からは、ラムサール条約会議の後も、大規模な開発事業による湿地の破壊に歯止めがかからず、極めて深刻な状況であることが報告されました。
 日本から参加したメンバーは、フォーラム前の午前中に、問題の現場を案内してもらいました。
 その一つは、仁川(インチョン)市の沿岸で進められている広大な干潟埋め立て事業、もう一つは、ソウル市から黄海に流れる漢河(ハンガン)の河道を大規模に掘削し拡大する「大運河」工事の現場です。短時間の視察ですが、とにかく埋め立ての規模や、河道工事の巨大さに驚くばかりでした。
 なお、仁川の埋め立て計画地のすぐそばでは、最近、クロツラヘラサギが営巣・繁殖をしていることがわかり、注目を集めています。私たちもその現場を訪ね、しっかりクロツラを観察してきました。(下の写真がその営巣地です)

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韓国・仁川の埋め立て計画地のそばにあるクロツラヘラサギの営巣地

■次回は来年3月に日本で開催
 ラムサール条約会議に向けた日韓湿地フォーラムは、2007年から継続的に取り組んできました。その協力関係が、昨年のCOP10の原動力になったことは間違いありません。今回の第4回フォーラムで、日韓の協力関係はさらに確実になったと思います。
 次回は来年3月に東京で開催し、生物多様性条約会議へのステップにすることとしました。
(ラムネットJニュースレターVol.2より転載)

2009年10月21日掲載