ワークショップ「土中の生物多様性─世界でもっとも地味な生物多様性?」報告

ミミズコンポストプロジェクトと土中の微生物の多様性                
ラムネットJ理事 安藤よしの
    
 生物多様性条約市民ネットワーク(CBD市民ネット)のミミズ・コンポスト・プロジェクトは、生物多様性条約締約国会議(CBD/COP10)での残渣をミミズが食べ、それを肥料として再生させようとするプロジェクトです。生き物の体を通過することで、豊かな土ができあがります。
 また、人の目では見ることのできない土壌微生物の多様性は、有機物分解活性を量る方法で知ることができるのだそうです。ワークショップでは横山和成氏、櫻本尚美氏が、土の中の微生物「群集全体」が有機物を分解する能力を測定する方法を、面白くわかりやすく紹介しました。
ミミズを手に取る子供たち

ミミズを手に取る子供たち

 ミミズコンポストの使い方の説明の後は、参加者がコンポストの手入れを実習しました。出来上がった優良な土、日本一おいしいsoil米、バッジ、鉛筆などのお土産も配布されました。このワークショップの様子はテレビ放映され、多くの人がCBD市民ネット水田部会のブースを訪れました。
 なお、農水省展示ブースほかCOP10会場内5か所に設置されたコンポストのうち4台が、COP10終了後に近隣の小中学校にプレゼントされました。現在も元気で活躍中のことと思います。
 ブース展示期間中、水田・土づくり・生物多様性の保全などに関して、参加者の方々との意見交換が盛んに行われました。有機米やビールなどの展示物も人々の関心をひきつけ、今後の活動の広がりが期待できるものとなりました。

水田部会ブースと横山・櫻本両氏
水田部会ブースと横山・櫻本両氏

日々草もよい土で育ちました
日々草もよい土で育ちました


ワークショップ「土中の生物多様性─世界でもっとも地味な生物多様性?」
日 時:2010年10月11日・12日 13:00〜14:30
場 所:CBD市民ネット水田部会ブース  
主 催:CBD市民ネット水田部会
協 賛:JA全農
参加者:150名(ブース見学者総数はのべ4,000人)

ワークショップの内容
  1. ミミズはよい土をつくることが証明された ミミズコンポストの使い方 株式会社「豊徳」 
  2. 複雑系は自律動的に安定する─土壌微生物の多様性研究からわかったこと 横山和成 櫻本尚美 中央農業総合研究センター 兼 ディージーシー総合研究所
  3. 生物多様性を大切にした建材を使って 株式会社 庄野建材店
  4. 生物多様性と農業と水田決議 岩渕茂紀 NPO田んぼ

ブース展示参加団体
ラムネットJ水田部会、CBD市民ネット水田部会、JA全農、NPO田んぼ、民間稲作研究所、里と生き物ネットワーク、秀明自然農法ネットワーク、(株)豊徳、(株)庄野建材店、中央農業総合研究センター、ディージーシー総合研究所

2011年02月19日掲載