ラムサールCOP11とWWN地球湿地賞
ラムネットJ共同代表 柏木 実
ラムサール条約第11回締約国会議(ラムサールCOP11)が今年7月6日から13日まで、ルーマニアのブカレストで開かれます。この会議のテーマは「湿地、ツーリズム(観光)、そしてレクリエーション」です。湿地は、人々が美しい景観を見て心を休める旅行の目的地として最適です。地元に豊かさと活気をもたらすこともできます。しかし無制限に観光客が訪れれば、美しさも、その働きも失われます。エコツーリズムを通じ湿地管理のあり方を考えることが一つの課題です。 もう一つの大きな課題が、2010年の生物多様性条約(CBD)COP10で採択された「愛知目標」を、ラムサールはどう実施するかです。これは生物多様性の喪失を食い止めるため地球全体で2020年をめどとして達成しようという目標です。地球上の生物多様性から見て特別に大切な、湿地の保全と賢明な利用を進める上でとても重要です。
日本政府による新しい条約湿地の登録を祝う式典も計画されます。これまでの地元の保全の努力を今後の管理に繋ぐ契機です。
そして湿地の現場での保全活動にとって大きなイベントは、世界湿地ネットワーク(WWN)による第2回地球湿地賞(ウェットランド・グローブ賞)の発表です。これは市民、NGOが湿地の管理を評価するイベントです。世界中のNGO、地域住民がインターネットを通して投票し、湿地の管理の良さを称える「青い地球賞」と、管理の改善を指摘する「灰色の湿地賞」を発表します。2010年の第1回では、アジア地域として中津干潟が「青い湿地賞」を授賞しました。
第2回地球湿地賞はWWNホームページで名前を登録すれば投票できます。締め切りは3月31日です。英語のページでの投票の仕方はラムネットJのホームページに解説があります。地域で活動する人々の参加が多いほど賞の意味は増します。ぜひ投票してください。
WWN湿地地球賞のホームページ。
(ラムネットJニュースレターVol.8より転載)
2012年01月29日掲載