「ラムサール議連」の活動と成果
参議院議員 谷 博之
豊岡市の円山川下流域を視察する筆者ら議連のメンバー(2008年5月)
1999年のラムサール条約第7回締約国会議(COP7、コスタリカ)において、登録湿地を2005年までに世界2000カ所に倍増する目標が掲げられた際、日本政府はそれに呼応し、1999年時点の11カ所を22カ所に倍増させる方針を打ち出しました。
2001年初当選した私は、このラムサール条約の趣旨に鑑み、広く超党派の国会議員に呼びかけて各会派から世話人を募り、2003年「ラムサール条約登録湿地を増やす議員の会」を設立しました。以来、干潟や河川を含む湿地の保全・再生、そして賢明な利用について勉強会を開催したり、候補地を視察(豊岡、渡良瀬遊水地、尾瀬、日光戦場ヶ原、蕪栗沼、北海道北部、新潟、谷津干潟・三番瀬)、また時の環境大臣に対し、生物多様性国家戦略や伊豆沼温泉問題等について申し入れしたりと、必要とされる支援活動を関係省庁、自治体、NGO、研究者などと連携しながら行ってきました。
結果として2002年のスペインCOP8までは国内13カ所しかなかった登録地が2006年のCOP9(ウガンダ)において一気に20カ所増え、その後も2008年COP10(韓国)で4カ所、2012年COP11(ルーマニア)において9カ所新規に登録されたことに、貢献できたことは喜ばしい限りです。
また以前来日されたラムサール条約事務局長と懇談した際、このような議連は他国にはないのでぜひ情報発信してほしいと言われ、議連を紹介する英文ポスターを作成、COP9以降毎回ブースに掲示させていただいてもいます。
実は国会議員になる前、私は故立松和平氏らと、地元栃木の渡良瀬遊水地を舞台にした田中正造のドキュメンタリー映画を作ったことがあります。1980年代のことです。その渡良瀬遊水地も、今回のCOP11において登録が実現。長年のみなさんNGO市民団体の運動が実ったわけで、縁の深い私も2006年に議員の会の視察を引率して以来、陰に日向に、時には議員の会として、時に地元国会議員として、国交省、自治体、地元住民の理解促進を側面からサポートしてきました。
現在環境省では、生物多様性国家戦略に定めた数値目標、2020年までに新たに10カ所の登録を目指しています。私はこの夏に改選を迎えますが、それまでに関係省庁・NGOとともに議連総会を開催して、政府の後押しをしていきたいと取り組んでいるところです。
今後ともみなさまのご支援・ご協力を心よりお願いいたします。
ラムサール条約登録湿地を増やす議員の会役員(2013年3月現在)
会長:川口順子
事務局長:谷 博之
幹事:愛知治郎、加藤修一、紙 智子
会長:川口順子
事務局長:谷 博之
幹事:愛知治郎、加藤修一、紙 智子
(ラムネットJニュースレターVol.12より転載)
2013年04月22日掲載