大きく育て 田んぼ10年プロジェクト
ラムネットJ 水田部会 安藤よしの/呉地正行
■これまでの取り組み
2013年2月、小山市でキックオフした、田んぼの生物多様性向上10年プロジェクト(田んぼ10年プロジェクト)の、その後の発展経過の概要を報告します。
7月末、愛知目標達成をめざす、にじゅうまるプロジェクトのHP(http://bd20.jp/)に、田んぼコーナーが新設され、52の登録団体/個人(140の取り組み)が掲載され、登録者には事務局のIUCN-Jから登録証などが送られました。その後も登録者数は増加し、現在65になりましたが、このうち、グリーンオイルプロジェクト、豊岡市、野田自然共生ファームなどが今回、国連生物多様性の10年日本委員会(事務局:環境省など)から連携事業の認定を受けました。(http://undb.jp/)
にじゅうまるプロジェクトの登録証を持って記念撮影(田んぼ10年プロジェクト交流会in登米)
田んぼ10年プロジェクト交流会in登米での圃場視察
これまでに行われてきた主な活動を紹介します:(1)8月24日、ラムネットJは宮城県・登米市などと共催し「田んぼ10年プロジェクト交流会in登米」を開催しました。この交流会の詳しい報告はラムネットJのHP(https://www.ramnet-j.org/tambo10/)に掲載されていますのでご一読ください。(2)オリザネットが、現場での取り組みを図解で具体的に紹介した「現場で進める水田の生物多様性の維持と向上─すぐにもできる具体策」を出版しました。現場での手引きとして、大変役立つ資料です。この冊子は「行動計画書」とともに、ラムネットJのHPからダウンロードできます。(3)NPO田んぼの支援を得て、田んぼ10年プロジェクトのロゴマークが2種類できました。1つは国内を意識したほのぼのとしたもの、もう1つは国外を意識したメッセージ性の高いもので、積極的な活用をめざします。(4)登米市の生物多様性地域戦略の骨子案ができました。これらの(1)〜(3)は、水田目標1(広報、教育、普及啓発の促進)の達成、(4)は水田目標15(地方自治体による生物多様性戦略に策定など)に関わります。
田んぼ10年プロジェクトのロゴマーク
■今後の取り組みと課題
- 登録者間の対話と交流:登録者をメンバーとするメーリングリストを立ち上げ情報の共有は可能になりましたが、さらにその機能を高め、登録者間の交流を増やす工夫が必要です。
- 行動計画書の増刷/配布:在庫切れとなった行動計画書を増刷し、関連全自治体等への送付と共に、登録者を増やす活動を実施していきます。
- 交流会・学習会の開催:2014年2月と11月に、大分県で交流会と事前学習会の開催を準備中です(詳細は後日)。2014年2月大阪市で開催の、にじゅうまる年次大会で、「世界一田めになる学校」の子供たちともコラボし、農地等の生物多様性(愛知目標7)の分科会を担当します。
- CBD/ラムサールCOP12に向けて:過去に学び未来へ向けた課題を議論し、報告書等を作成する予定です。
私たちは、より多くの人が交流できる場を提供し、皆の力を束ねることで全国の田んぼの底力を引き出したいと願っています。田んぼの生きものに関心がある方はラムネットJまでぜひご連絡ください。どなたでも大歓迎します。ひとりでも多くの行動する仲間を増やし、生きもので賑わう田んぼを全国に取り戻していきましょう。
(ラムネットJニュースレターVol.14より転載)
2013年12月10日掲載