2015年世界湿地の日のテーマ「私たちの未来のための湿地」

 ラムサール条約が締結された日である2月2日は、毎年「世界湿地の日」(World Wetlands Day)として、世界各地で湿地保全を普及啓発するためのキャンペーン活動が行われます。2015年の世界湿地の日のテーマは「私たちの未来のための湿地」です。その概要を、ラムサール条約事務局の資料を元に、以下にご紹介します。
 
 世界湿地の日のテーマやキャンペーンの詳細は、世界湿地の日の特設ウェブサイトをご覧ください。また、このウェブサイトについての日本語による紹介記事もご参照ください。


2015年2月2日 世界湿地の日「私たちの未来のための湿地」

湿地は私たちの未来のために、安全な飲料水、水質浄化機能、食糧、豊かな生物多様性、自然の緩衝装置としての作用、気候変動の影響緩和、持続可能な生計手段と産物といった7つの恵みを与えてくれています。

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 しかし世界では1900年以降、湿地の64%以上が消えていきました。そのため、世界中で10〜20億人もの人が安全な飲料水をえられなくなったり、洪水の調節機能が失われたり、炭素貯留機能が低下したり、伝統的な生計手段が失われるなどの影響が生じています。また、1970年から2010年の間に淡水生物種の個体数が76%減少するなど生物多様性への影響も現れています。さらには、1970年から2008年の間に世界の1,000ヶ所以上の湿地において面積が平均で約40%縮小しています。

 残念なことに、湿地はしばしばただの荒れ地と見なされ、干拓や埋め立てにより様々な目的に利用されてきました。湿地の消失や劣化を招く要因として、農耕や家畜の放牧への転用、大気や水質の汚染、栄養塩の過剰流入、ダム、堰や水路建設による分水などが挙げられます。

 では、このような状況を変えるために何をすればよいのでしょうか?

  • 自ら湿地を経験してみる:ラムサール条約のHPから近くにラムサール条約湿地があるかどうか調べてみましょう。その湿地の管理者と話をしてどのようなお手伝いができるか聞いてみるとよいでしょう。
  • 人々を啓発する:イベントを企画して、湿地がもたらしている恵みについて多くの人に理解してもらいましょう。湿地に関する事実や逆説といった興味深い情報を盛り込むとよいでしょう。
  • 湿地のクリーンアップイベントを運営する:効果を際立たせるため実施前と実施後の写真を撮っておくとよいでしょう。
  • 毎日の生活の中で環境を意識した選択をする:持続可能な食品や商品の選択、エネルギーや資源の節約や再利用、自生種を優先した園芸や有機栽培など、できることをやりましょう。
  • 世界湿地の日に参加する:ラムサール条約湿地を訪れたり、世界湿地の日の特設ウェブサイトを通じてウェットランド・ユース・フォト・コンテストに応募したり、湿地のために行動を起こす宣言をしてみましょう。
  • 他の人々と協力して変化をもたらす:数多くの組織やネットワークが湿地やその持続可能な利用のために活動しています。湿地の問題に興味を持ったらラムサールのウェブサイトを通じて仲間を探し、彼らと力を合わせて変化を起こしましょう。

*世界湿地の日の特設ウェブサイト:http://www.worldwetlandsday.org/en

2015年02月01日掲載