CBD COP13でのラムネットJの活動報告

ラムネットJ事務局 後藤尚味

 生物多様性条約第13回締約国会議(CBD COP13)がメキシコ・カンクンにおいて、2016年12月4日〜17日に開催されました。ラムネットJは、生物多様性の農業分野での主流化について「田んぼの生物多様性向上10年プロジェクト」を中心にした活動を、①ブース展示、②UNDB DAYでの発表、③サイドイベント開催を通じて紹介し、参加を呼びかけました。

●ブース展示
 展示ブースでは、会期中を通して「田んぼ10年プロジェクト」と「湿地のグリーンウェイブ」を紹介する大判のポスターを展示しました。文字は最小限にとどめ、田んぼの生き物の絵や写真を大きく周囲に配し、細かい説明は英文パンフレット、事例集等を配布して対応しました。
 会場に置いたチラシでは「漢字」が注目される傾向がありましたので、鳥や植物のポスターの脇に漢字で名称を表記したところ、大好評でした。

●UNDB DAY
 12月5日にCEPAフェア会場にてUNDB DAYが環境省とIUCN-Jの主催により開催されました。環境省生物多様性地球戦略企画室長の中尾文子さんの開会宣言で始まり、午後の農業分野の部で、ラムネットJの呉地正行共同代表が生物多様性の主流化のための「田んぼ10年プロジェクト」を報告しました。
 UNDB DAYの最後に行われたパーティーでは、環境に配慮した日本のお米で作った「おむすび」を提供する計画でしたが、米の持込み許可が下りず断念、パッケージだけを展示しました。無事に持ち込めたお茶、海苔、日本酒は、皆さんに振る舞われました。

CBD COP13
ラムネットJブースで折り紙を作った現地の高校生ボランティア
CBD COP13
UNDB DAYで発表する呉地共同代表

●サイドイベント
 ラムネットJ主催のサイドイベントは、12月9日にサンライジングビル2階の会議室で開催しました。「農業における生物多様性の主流化」をテーマとして、多様なセクターから水田に関わる生物多様性向上に資する活動が報告されました。
 全体進行は柏木実共同代表、開会の挨拶は安藤よしの共同代表が行いました。発表は全部で5つ。初めに呉地共同代表が「愛知目標の達成に向けた田んぼ10年プロジェクトを通じた農業の生物多様性向上の主流化の取り組み」を発表しました。次にウガンダ水環境省ポール・マファビさんより「ウガンダにおける水田決議の実践─湿地の生態系機能を活かした農業開発」の発表がありました。3番目に(株)アレフの橋部佳紀さんが「水田の生物多様性向上のための企業セクターの貢献」として自社の取り組みを発表しました。次は、カマール・ライさんの発表の予定でしたが、会場に到着できず、柏木共同代表がネパールからの報告「我々の生き残りをかけた在来種米の保全」を代理で発表しました。最後に、国際連合食糧農業機関(FAO)の持続可能な農業プログラム担当官のマティアス・ハルヴァートさんから「水田と持続可能な農業プログラム」についての発表をいただきました。すべての発表の後「ふゆみずタンゴ」をみんなで踊って閉会としました。

サイドイベント
ラムネットJのサイドイベントに参加した皆さん

2017年02月27日掲載