田んぼ10年プロジェクト全国集会・地域交流会の報告(川越・いすみ)
ラムネットJ理事/水田部会 舩橋玲二
埼玉県川越市、千葉県いすみ市で、田んぼの生物多様性向上10年プロジェクトの全国集会・地域交流会を行いました。ごく簡単ですが、2つのイベントのご報告をします。
全国集会 in 川越:熱心な質疑が行われました
●全国集会 in 川越
『生きもの育み雁の舞う里山・街づくり』〜かわごえ里山2017田んぼフォーラム〜と題し、2017年2月18日、川越駅近くのウェスタ川越にて、かわごえ里山イニシアチブとの共催で行いました。川越城は別名「初雁城」と呼ばれていたことから、市内には、「はつかり」の名を冠した地名、社名や商品名などが各所に見られます。
基調講演では、ラムネットJの呉地正行共同代表から田んぼ10年プロジェクトについて、いすみ市の太田洋市長から有機栽培の拡大や地域の魅力について、かわごえ里山イニシアチブの増田純一さん・高梨耕治さんから地元川越の取り組みについて報告がありました。また、各地からの報告として、雁の町大崎市から有機ササニシキの生産に取り組む齋藤肇さん、小田原食とみどりの齋藤文子さん、会社の体験農場などに取り組む福岡の加悦典子さんが発表を行いました。詳しい報告がhttp://koedo.info/170224tanbo10/にあります。
●第6回地域交流会 in いすみ
2月25〜26日の2日にわたり行いました。いすみ市は、来年度から市内の小学校給食で使用するお米を全て有機米で提供する計画を進めています。26日に大原文化センターで行われた講演では、有機米生産の農家さんの思い、有機米生産を支える技術的な背景、仕組みを作ってきた市の担当者など、それぞれの立場からご苦労された点や今後の夢を語っていただきました。圃場周辺、夷隅川流域から海にいたる地域内の物質循環についても議論され、とても充実した内容となりました。また、一年を通じて米づくりの学習をしてきた国吉小学校の元気な発表からは、単に米についての学習だけでなく、地域の自然や文化の特徴など幅広い学びを通じて、地域への愛着が深まっている様子が伝わってきました。
25日のエクスカーションでは、26日の講演内容に関連した現地を見学し、地域外からの参加者にもいすみ市の様子がよく理解できる内容でした。いすみ市では来年、第5回生物多様性を育む農業国際会議が開催されます。今回の議論が更に深まるとともに、いすみ市の先進的な取り組みが世界の範として紹介されていくことでしょう。みなさんも元気ないすみ市の今後にご注目ください!
地域交流会 in いすみ:国吉小学校の発表
地域交流会 in いすみ:エクスカーション(太東崎灯台にて)
2つのイベントとも、地元の多くの皆様のご協力のもと開催することができました。この場をお借りして感謝申し上げます。
(ラムネットJニュースレターVol.27より転載)
2017年06月09日掲載