吉野川河口「今」「明日」を考えるフォーラム
ラムネットJでは、とくしま自然観察の会の主催で、2017年7月8日に徳島大学工業会館メモリアルホールにおいて開催される『吉野川河口「今」「明日」を考えるフォーラム』を後援しています。みなさま、ぜひご参加ください。
吉野川河口「今」「明日」を考えるフォーラム
吉野川は、四国三郎とも呼ばれる大河川です。その河口は日本一の川幅を誇り、河口から第十堰の14.5kmまで、日本最大級の汽水域を有し、河口に広がる干潟は、シオマネキの群生地であり、またシギ・チドリ類など渡り鳥の重要な中継地として「東アジア・オーストラリアフライウェイパートナーシップ(シギ・チドリ類重要生息地)」の日本で初めての参加地になっています。吉野川河口の生態系は、河口域から紀伊水道の漁場を支え、多くの生態系サービスを生み出す源です。さらに、環境省による「ラムサール条約湿地潜在候補地」や「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」に選定されるなど、自然環境の豊かさと生物多様性の高さは、国内外で認められています。
しかし、川・海・陸が出会うという河口の地理的特性から法制度が複雑に絡み合い、また行政上の管轄も複雑に入り組んでいることから、河口汽水域環境の保全上様々な課題を抱えています。
県民の宝物として、河口のことも含めて、吉野川の将来をどう描くのか、次の世代への手渡し方を考える時期にさしかかっているのではないでしょうか。
このたび、東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ事務局長スパイク・ミリントン氏を韓国からお招きし、パートナーシップをめぐる渡り鳥や湿地保全の現状についてご講演をいただくことになりました。
さらに、吉野川河口のもつ価値や重要性について、吉野川を訪れる渡り鳥からその役割をしり、さらに、その干潟を支える生物多様性について理解を深めるため、様々な立場の人たちから話題提供をしていただきたいと思っています。
このフォーラムを通じて、徳島の宝である吉野川の河口干潟の様々な価値についてもう一度確認し、さらに私たちの暮らしを支える吉野川の豊かさを見つめなおすことにより、これからの河口干潟や河口域のあり方について考える機会になれば、と期待しています。
記
■タイトル:吉野川河口「今」「明日」を考えるフォーラム
■日時:2017年7月8日(土)13時〜17時
■会場:徳島大学工業会館メモリアルホール
(徳島市南常三島2-1 徳島大学理工学部内)
■主催:とくしま自然観察の会
■共催:徳島大学環境防災研究センター
■参加費:無料(事前申込は必要ありません)
※このフォーラムは、公益財団法人自然保護助成基金緊急助成によって実施します。
■後援
徳島県、環境省中国四国地方環境事務所、NPO法人ラムサール・ネットワーク日本、(公財)日本自然保護協会、(公財)世界自然保護基金ジャパン、(公財)日本野鳥の会、生物多様性とくしま会議、日本野鳥の会徳島県支部、吉野川の歴史とうまいものを探る会、吉野川の風景を守る会、朝日新聞徳島総局、徳島新聞社、毎日新聞徳島支局、読売新聞徳島支局、四国放送(順不同)
■問い合わせ先(とくしま自然観察の会)
〒770-0944 徳島市南昭和町3丁目19-1 tel・fax 088-623-6783
Eメール kansatsunokai☆gmail.com(☆は@に置換)
■プログラム
●第1部 13:00〜14:20
基調講演
「東アジア・オーストラリア地域フライウェイの渡り性水鳥と沿岸生息地の保全」
スパイク・ミリントン氏
(東アジア〜オーストラリア、フライウェイネットワーク事務局長)
(逐次通訳あり)
講演
「吉野川にみる日本の河口域の開発と保全の20年」
清野聡子氏(九州大学大学院工学研究院)
●第2部(14:30〜17:00)
「吉野川河口域と人とのかかわり」
近森憲助(鳴門教育大学特命教授)
「吉野川銀行」
井口利枝子(とくしま自然観察の会)
和田太一(NPO法人南港ウェットランドグループ)
「世界とつながる吉野川河口域」
東條秀徳(日本野鳥の会徳島県支部)
吉野川における近年の汽水域の管理と住民参加(仮)
国土交通省四国地方整備局徳島河川国道事務所
徳島県における生物多様性に関する取り組み(仮)
徳島県
「河川環境における公共工事による水鳥への影響」
前川 聡(公財)世界自然保護基金ジャパン)
「吉野川河口と環境アセスメント」
志村智子(公財)日本自然保護協会
ミニトーク。報告を受けて、これから私たちにできることはなにか。
柏木 実(NPO法人ラムサール・ネットワーク日本)、
スパイク・ミリントン、清野聡子、近森憲助・河口洋一
■参照
●東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ事務局長スパイク・ミリントン氏
アジア地域は渡り鳥のフライウェイ上、中継地として重要な地域でありながら、環境悪化などにより生息数の減少が著しく、特に日本には保全管理のリーダー的役割が期待されています。吉野川河口はパートナーシップの前身である東アジア・オーストラリア地域シギ・チドリ類重要生息地ネットワークが発足した1996年からの参加地であるとともに、日本の参加地33か所の中でも特異的な生態系を有する貴重な湿地です。
渡り性水鳥及びその生息地を保全するためには、あらゆるレベルの行政機関、湿地管理者をはじめ、多様な関係者間の対話、協力及び共同作業が重要であり、東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップの重要な目的でもあります。
●東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップとは
東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップは、2002年国連が開催した「持続可能な開発に関する世界首脳会議」において採択された、政府、国際機関、NGO、企業などのさまざまな主体が協力して取り組む「タイプ2パートナーシップイニシアティブ」の一つであり、渡り性水鳥とその生息地及びそれらに依存する人々の生活を守ることを目的として、2006年11月6日に発足しました。このパートナーシップには、関係国政府、国際条約などの政府間組織、国際NGO及び世界的な企業等が参加しており、日本は環境省が所管省庁となっています。
東アジア・オーストラリア地域フライウェイの渡り性水鳥及びその生息地が、人間及び生物多様性に恩恵を与えるものとして認識され、保全されることを目標とし、現在18か国136か所の湿地が参加しています(日本は33か所)。吉野川河口は1996年に日本初の湿地として参加しています。
詳しい情報は以下のウェブサイトに記載されています。
2017年07月04日掲載