サロベツ周辺の風車建設計画
サロベツ・エコ・ネットワーク 長谷部真
サロベツから見た利尻山とマガンの群れ
風車による影響は景観だけではありません。サロベツとその周辺はロシアと日本を結ぶ国際的に重要な渡りの中継地に位置します。春と秋には多くのガン・ハクチョウ類がサロベツの湖沼に立ち寄り、冬にはロシアから多くのオオワシやオジロワシが稚内の宗谷岬に渡ってきます。サロベツ・エコ・ネットワークはこれらの計画に対し意見を述べ、情報を発信する活動を続けてきました。また、(公財)日本野鳥の会による支援を受けながら、風車に関する勉強会を開催し、風力発電による渡り鳥への影響の調査を行ってきました。その結果、大きな影響が懸念されることがわかりました。
私たちは自然エネルギーとしての風力発電の重要性を理解していますが、風車の建設に当たっては、地域の団体と十分に協議した上で、国立公園のある地域の重要な資産である景観や野生生物を損なうことがないように、適切な場所に設置すべきと考えます。
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(ラムネットJニュースレターVol.31より転載)
2018年05月04日掲載