ラムサール・アジア地域会合に参加してきました
ラムネットJ理事 永井光弘
今年10月にラムサール条約第13回締約国会議(COP13)がドバイで開催されます。これに先立ち、東アジア地区の準備会合が2月26日から5日間、スリランカのチラウという町(コロンボから北へ車で2時間)で開催されました。
地区の締約国代表や、世界的な環境NGO及び条約事務局など100名ほどが参加する中、ラムネットJからも、共同代表の柏木実さんと呉地正行さん、理事の丸山明子さんと私が参加しました。
●会議の様子
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会議場内の様子
2日目以降は、COP13において東アジア地区から提出予定の決議案等について議論されました。主だったところでは、(1)ブルーカーボン(干潟等の炭素吸収源価値)、(2)潮間帯湿地保全、(3)湿地の農業、(4)ウェットランドシティの登録、(5)湿地のエコシステムの簡易迅速評価、などです。お互い顔見知りで和やかな雰囲気の中、真剣な議論がされていました。
●ラムネットJの活躍
ラムネットJも存在感を示しました。柏木さんは、ブルーカーボン決議案の議論の際に辺野古の埋め立て事例を紹介し、環境影響評価手続きの改善を組み込むよう求める発言をし、潮間帯湿地の議論では「森は海の恋人」という日本の運動を紹介して流域全体での取り組みの重要性を強調しました。さらに、壇上で世界湿地ネットワーク(WWN)による世界湿地調査の結果を発表しました(丸山さんと私はポスター持ち)。呉地さんは、湿地の農業の決議案の議論の際に、日本での田んぼ10年プロジェクトの取り組みを詳細に報告し、成功事例として決議に盛り込むよう求めました。
休憩時間も、柏木さん・呉地さんは、ラムサール条約事務局や海外NGOの知己と細かな情報交換を行っており(いわゆる「柏木外交」)、最近ラムサール条約に加盟した北朝鮮代表に「向こうから話しかけられて」親しく情報交換していたのには、びっくりしました。
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呉地正行さん(左)と北朝鮮のRi Kyong Simさん(右)
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ウィルパットウ国立公園の中に点在する「ウィラス」
●フィールドトリップ
真ん中の一日はフィールドトリップでした。呉地さん、丸山さんと私は、チラウからさらに北のウィルパットウ国立公園でのサファリツアーに参加しました。ウィラス(Willus)という"砂に縁どられた水たまり"のような湿地群が特徴的で、スリランカ最初のラムサール登録湿地がありました。シギのすぐ横にクロコダイルが横たわる風景はなんか変な感じでした。他にもスリランカゾウ、マレーグマ等々のたくさんの野生動物も見ました。ただ、サファリはやはり先頭車に乗るべきですね(後続が通りがかるころに動物はいなくなっている)。
毎日飲む紅茶もおいしく、会議も有意義で楽しめました。ドバイもなんとか参加したいものです。
(ラムネットJニュースレターVol.31より転載)
2018年05月04日掲載