(大雨のため開催中止)報告会:有明海は渡り鳥の国際空港──今、私たちにできることは何か?─

★下記のイベントは九州地方の大雨警報発令に伴い中止となりました。
 参加をご予定いただいていたみなさまに、お詫びいたします。


 ラムサール・ネットワーク日本(ラムネットJ)では、経団連自然保護助成基金の支援金をもとに、バングラディシュの鳥類研究者、サヤム・チョードリー氏を日本に招き、ヘラシギなどシギ・チドリ類の保全に関する報告会を下記の通り開催します。みなさま、ぜひご参加ください。


報告会:有明海は渡り鳥の国際空港
今、私たちにできることは何か?

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 人間が飛行機を発明するよりも昔から鳥は自由に国境を超え、世界をわたっていました。渡り鳥にとって、繁殖地から越冬地へ向かう途中の休憩地は、さしずめ乗り換え空港・燃料補給基地にあたります。
 日本の干潟は、東アジア・オーストラリア地域フライウェイの中間に位置し、たくさんの渡り鳥が立ち寄るとても重要な中継地です。しかしながら、日本の干潟は、戦後の急速な発展と引換えに面積の4割を失ってしまいました。それは単に量的な減少だけでなく、質的な劣化も同時に引き起こしています。日本中の観察者から収集した記録によれば、この40年間でシギ・チドリ類の個体数は、約半分に減少してしまいました。同様に、韓国、中国などアジア各地でも、開発による湿地の減少が進んでいます。
 今回はバングラデシュからサヤム・チョードリーさんににお越しいただき、越冬地の話を聞きます。ヘラシギをはじめとする希少な渡り鳥が、無事に越冬地へ辿り着けるように、いま、私たちに出来ることは何か? 知恵を出し合い、行動につなげる機会にしたいと思います。多くの皆さまのご参加をお待ちしています。

●報告会
日 時:2018年7月8日(日)13:00〜16:00
場 所:鹿島市生涯学習センター「エイブル」
     佐賀県鹿島市大字納富分2700-1 TEL 0954-63-2138
主 催:ラムネットJ
共 催:鹿島市役所、日本野鳥の会佐賀県支部、NPO法人バード・リサーチ
    シギ・チドリ類ステッピング・ストーンズ・グループ
申し込み:下記のWEBフォームからお申込みください。

【プログラム】
1. 開会の挨拶
2. 各地からの報告
(1)中継地(日本)からの報告
  A. 日本全体のシギ・チドリ類の状況報告(守谷年史)
  B. 鹿島市の統計から見た状況報告(依頼中)
  C. 博多湾の状況(服部卓朗)
  D. 鹿島周辺の現場の状況(中村さやか)
(2)越冬地(バングラディシュ)からの報告
  E. 越冬地のヘラシギ(サヤム・チョードリー)
3. 質疑応答
4. 閉会

●オプショナルツアー「干潟体験」
日 時:1988年7月8日(日)9:30〜11:30
集 合:9:30 道の駅鹿島(11:30解散)
持ち物:水着・Tシャツ・タオル・短パン
参加費:一人700円
※直接集合場所にお越しください。

●お問い合わせ
Shorebirds Stepping Stones(ステッピング・ストーンズ)シギ・チドリ類保全ネットワーク
メール inq.steps☆gmail.com(☆印は@に置換)
TEL/FAX 03-3834-6566(ラムネットJ事務局)

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サヤム・チョウドリー
 バングラデシュを足場に、ヘラシギ、アカハジロ、マレーヒレアシなどの世界的絶滅危惧種の保全に過去12年間携わる行動生態学研究者。学部における環境科学を基礎に、国際的経験を積み、ケンブリッジ大学地質学研究科より生物多様性保全に関する修士号を取得。
 地域共同体と地域の人々の経験に寄り添いながら、生きものの状況について伝え、人々とともに保全活動を行っている。特にヘラシギに関しては活発に活動を行い、バードライフインタナショナルによって、「ヘラシギの守り手」とされ、現在国際ヘラシギ特別保護委員会の事務局次長を務めている。
 このほかアジアヒレアシの研究や、バングラデシュ15か所の森林保護区の鳥類モニタリングも行う。多くの科学論文の執筆や査読に携わり、新聞記事も多数執筆。IUCN(国際自然保護連合)の種の保存委員会委員も務める。

2018年06月29日掲載