第12回ラムサール条約登録湿地関係市町村会議
ラムネットJ事務局長 後藤尚味
2022年2月16日「ラムサール条約登録地関係市町村会議」第12回学習・交流会が開催されました。コロナ禍でなければ、事務局を担う栃木県において開催するところだったのでしょうが、今年はZoomによるオンライン開催となりました。
オンラインとなったことで、場所を気にせずに参加ができるため参加率が上がったとのことです。PC画面上で確認した参加者数は35名でした。
市町村会議は、ラムサール条約に登録されている湿地およびその他の湿地の適正な管理に関し、市町村間の情報交換および協力を推進することにより、各地域の湿地保全活動を促進することを目的としています。他のラムサール条約締約国でも、このような横断的な自治体連携活動を毎年実施している例はなく、日本独特の活動となっています。
学習・交流会では、湿地のワイズユースのための連携を図り、活動を活性化することを目的に、自治体のほか、NPO、関係団体も参加して相互に情報交換をする場を設けています。そのため、NPOであるラムネットJのメンバーも参加することができました。
まず始めに、今回の交流会のテーマである「コロナ禍のラムサール条約湿地での活動について」と題し、東京農工大学農学研究院教授の朝岡幸彦氏による話題提供が行われました。次に、市町村アンケート調査の集計結果が日本国際湿地保全連合(WIJ)より報告されました。続いて、栃木市、釧路市、大崎市の3自治体から取り組み報告がありました。休憩を挟んだ後、グループに分かれて「コロナ禍の影響・困ったこと」「効果があった活動・実施したい活動」について検討し、班ごとに発表を行いました。
最も印象的だった報告は、秋吉台の秋芳洞です。コロナ禍で閉洞したことで、これまで消したことがなかった洞内のライトを、一定期間、完全に消灯したことにより、洞内の水質や光の影響で繁茂する藻類などの洞内環境の重要なデータを収集することができたそうです。
(ラムネットJニュースレターVol.47より転載)
2022年05月01日掲載