リニア中央新幹線の建設に伴い、岐阜県御嵩町の美佐野ハナノキ湿地群が埋め立ての危機にあります。ラムサール・ネットワーク日本は、2023年10月に御嵩町と岐阜県に湿地保全を求める意見書を手渡し、美佐野ハナノキ湿地群の保全を要請しました。岐阜県とはその後も質問書のやり取りを続けています。
わたしたちの疑問の1つに、重要湿地選定の隠ぺい疑惑があります。
環境省の重要湿地リストの当初案には「美佐野ハナノキ湿地群」が明記されていました。ところが、最終文書(2016年)ではその名称は消えてしまい、重要湿地であることを公に認めたのは御嵩町が主催する「リニア発生土置き場に関するフォーラム」の第4回(2022年11月10)における同町の説明でした。
御嵩町は2015年9月に、岐阜県を通して環境省に質問を投げていますが、その回答がどのようなものであったのか、経緯が確認できないままになっています。
私たちはリストへの明記が消えた経緯を、2023年10月に岐阜県と面談した際に尋ねましたが、対応した担当者は担当部局が違うからとその場では回答を拒否しました。その後、岐阜県に対して2度にわたって質問書で質したのですが、県は「保存期間が経過し文書は廃棄済みのため内容の確認はできない」との回答を繰り返しています。
とくに2024年5月に送付した再質問では、文書廃棄済みであっても回答可能であることを示して尋ねたのですが、ぶっきらぼうなゼロ回答でした。
また、美佐野ハナノキ湿地群の保全に関する県の姿勢を質した質問においても、手続きの流れを説明するばかりで、まったく回答になっていません。
私たちは、岐阜県が誠実に対応することを願って、県の不誠実な回答をここに公開します。
ラムネットJ:質問書「美佐野ハナノキ湿地群の保全について」(2023年11月7日)
岐阜県:回答書「美佐野ハナノキ湿地群の保全について」(2023年12月21日)
ラムネットJ「回答書「美佐野ハナノキ湿地群の保全について」に対する再質問」(2024年5月23日)
岐阜県:回答書「(再質問)美佐野ハナノキ湿地群の保全について」(2024年6月14日)